アトラクションで思いっきり体を動かした後、「次は何しようか?」などと話していると、遠くから3つの白いボールでジャグリングをしながら、顔を白く塗ってピエロの格好をした中年の男性が近づいてきました。

これを見て、友人の長女ちゃんは怖くなって泣き出してしまいました。我が家の長女も、「IT(イット)だ!」と言って騒ぎ出しました。
ちなみに、IT(イット)とは、アメリカのホラー映画で、ピエロの風貌をした悪魔が次々に子供たちを食べていってしまうという恐ろしいお話です。
友人の長女ちゃんも、我が家の長女もこの映画を観たことがあり、「ロマンの森共和国に人食いピエロが現れた」という恐怖から、泣き出したり、騒ぎ出したりし始めたのです。

でもこの男性、話してみるとすごく子供に優しいエンターテイナーなのです。
子供たちが怖がっているのをみて、その場を打開しようと、持っていた風船を取り出し、何やら作り始めるのです。


ピエロの男性は、娘たちに1個ずつお花を作ってあげ、「小腹が空いた」と言いながらフードコートの方へ立ち去っていく私たちを「楽しんで行ってねぇ。」と笑顔で見送ってくれたのでした。
ロマンの森共和国 遊びランドエリアには、お腹が空いたお客さんを満たしてくれる素敵なフードコートがあります。



フードコートで昼食を頂いていると、先ほど風船を作ってくれたピエロの男性が、今度は何やら馬の風船を抱えて我が家の次女に近づいてきました。

この男性、とにかく子供が好きなようで、あの手この手を使って子どもたちを喜ばせようとしてくれます。最初こそは怖がっていた娘たちも、ピエロの親しみやすさに心を開いていくのでした。
フードコート正面のステージでは、ハロウィーンイベントが催されており、マスコットキャラクターのロンちゃんとランちゃんが、音楽に合わせて踊りながら、会場を盛り上げていました。

しばらくすると、今度はハロウィーンの衣装に身を包んだ女性がステージに登場し、
「今からビンゴゲームを始めまぁす。ビンゴカードを1枚300円でお配りします。最後の方がビンゴになるまで、ビンゴゲームは続きますので、はずれはありません。ビンゴになった方から、ステージ上の景品を選んで頂けまぁす。」
とのアナウンスが。
早速ビンゴカードを子供たちに買ってやり、ビンゴゲームに参加しました。


このピエロの男性、再三再四登場するため、かなりの存在感を放っています。
私は妻に、
「あのピエロの人、さっきからめちゃくちゃ働いてるよ。」と言うと、妻は
「あれはきっと、このロマンの森共和国の中でも、かなり役職が上の偉い人だよ。じゃないとあの働きっぷりはできない。」との返答。
それに対して、私はさらに「確かにそうだね。場合によっては、ここのオーナーの息子かもしれない。このテーマパークの将来を背負いつつ、ピエロに変装して現場を盛り上げているのかもしれない。」
などと言い合いながら、ピエロの男性の素性について想像を膨らませていました。
ビンゴゲームを終えて、景品をもらった私たちは、「そろそろ帰ろうか」なんて話しながら、お土産屋さんでお土産を物色していました。
すると、お土産屋さんの店員さんが、「今日は天気があまり良くないけど、お客さんが多いですねぇ。」なんて言いながら、話しかけてきてくれました。
その時、例のピエロの男性が、今度は2メートルはあろうかという大きな竹馬に乗りながら、目の前を歩いていき、道行く子供たちの視線を釘付けにしていました。
それを見たお土産屋さんの店員は、
「あの人ね、ピエロ業界では結構有名な人なんですよ。うちの従業員ではなくて、所沢を拠点にピエロとして個人事業をやっていて、ゴールデンウィークとか、シルバーウィークとか、大型連休なんかにはうちに来てパフォーマンスしてもらうんですよねぇ。話してみると、面白い人ですよねぇ。」と、ピエロの男性の素性を惜しみもなく教えてくれるのでした。
私たち夫婦の予想は全く外れていたようです。やり手のピエロの男性は、ロマンの森共和国の重役でもなければ、オーナーの息子でもなく、期間限定の業務委託契約に従って現れる、ピエロの個人事業主だったのです。
『それにしては、ビンゴゲームの司会はかなり手馴れていたなぁ。ピエロとして稼ぐには、それなりに経験とスキルが必要なのだろう。』と思いつつ、友人家族との楽しい思い出がいっぱいの、ロマンの森共和国を後にする、子育てパパなのでした。
おしまい。
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